2019.
9.28(土)17:30 名古屋市芸術創造センター

あいちトリエンナーレ2019公募プロ

出演

木下美穂子、清水華澄、伊藤 晴、松下雅人、森雅史  ほか

名古屋音楽大学オペラ合唱団、ミュージカル・アンサンブル、オーケストラ

指揮:後藤龍伸

構成・演出:池山奈都子

 

標題に飛びついて行ったが、プログラムを見ての通り、「オペラ」ではなく「オペラティック」コンサートであった。ヴェルディとグノーのオペラ曲が聴けると思っていったから期待外れであった。

 

シェイクスピアの作品を題材にした或いはヒントを得て創られた作品は多くある。あいちトリエンナーレの今年のテーマは「情の時代」なので、シェイクスピア関連の幅広いジャンルから諸々の「情」を取り上げひとつに編集したものである。オペラのアリアと合唱、オーケストラ、ピアノ、歌曲の作品、ミュージカル・ナンバーとダンス、朗読、これらを一つの作品にしようという試みは確かに芸術の創造かもしれない。その意味でトリエンナーレに相応しい企画と思う。

 

ただそれが成功したかどうかは別問題。関係者一同の努力は多とするが、個人の率直な意見を述べさせてもらえば音楽的にごった煮の感が拭えない。個々には観て面白いところ、オケや合唱の素晴らしいところ、ソロに感動するところはあっても、ひとつにつながった感じが全くしなかった。先生に支えられた音大生の記念演奏会とみれば健闘と讃えてよいと思うが、普通のコンサートと考えれば不満が残った。

 

この日のベストは木下美穂子の<柳の歌>。デズデモナの悲しみと哀れさがにじみ出た感動の名唱であった。相手を務めたエミーリアの清水華澄も声は少ししか聴けなかったが歌ってない時の演技でも魅せた。オケも目いっぱい音を下げてきれいであった。この演奏は休憩後の最初でもあり、聴く方もオペラの世界に入る準備が整っていた。しかし間に挟まれたアリアや歌曲は明治時代の演奏会みたいで今日では浮いた感じになってしまう。切り替えの間の取り方を工夫した方がよいと思う。

 

少女像が問題になっているあいちトリエンナーレだが、この公演は舞台芸術公募作品のひとつ。オペラの分野で申請してるので狙いは新しいオペラの形を目指したものであろう。私の考えではオペラは一つのストーリーがあるものと思っているが、これはそうなのであろうか。

 

因みに名古屋芸術大学もミュージカルの分野で公演しているが内容は知らない。


名音大オペラC