2019.12.15(日)15:00 あげつまクリニック Novalium

出演

福本泰之(V)、真弓(P)、真琴(C)、揚妻広隆(バリトン)

曲目

シューベルト:流れの上で(揚妻広隆、P&C)

ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」

ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番「大公」

 

トリオ・エフは愛知県立芸術大学の福本泰之教授とその娘さんふたりによるピアノ三重奏団。親子で余暇に楽しむなんてものじゃない列記としたプロで、娘さんたちはいくつかの賞を獲得し主に室内楽で活動している若手演奏家である。エフ(F)とはFukumotoでもありFamilyでもあるとのこと。娘たちに楽器を習わせるとき意図があったわけではなく、偶々こういう結果になったとの話があった。全く羨ましい限りと思う。

 

昨年ミュンヘンARDコンクールで葵トリオが日本人初の優勝を果たし話題になった。でも常設トリオはカルテットに比べてずっと少なく、コンサートは臨時に編成して演奏する場合が多い。ソリストとして活躍している各人が集まって火花を散らすのもよいが、本来はこじんまりしたところで静かに味わうものであろう。そう考えたら親子トリオは理想的だと思う。

 

今日の演奏も正にそういうものであった。誰も出しゃばらないし、誰も人任せにしない。互いに呼吸を合わせ音楽の持つ美しさを素直に表現した素晴らしい演奏であった。特に緩徐楽章が味わい深かった。私にとってほんと何十年振りのトリオ演奏会で、レコードを聴いていた若い頃を懐かしく思い出した。

 

この後12月22日同じプログラムで名古屋デビュー・コンサートがある。

 

クリニック院長揚妻広隆先生は開業前主に宗教曲のソリストとして多数出演されていたが、今はシューベルトを中心としたドイツ・リートのリサイタルを自前の音楽ホールや東京ほかで開いている。品位のある温かい声で心情を表現するのに長けている。

 

これで今年のコンサート通いは終了。しばらくはネットやテレビになる。