2019.1.12(ライブ収録)

出演

アドリアーナ・ルクヴルール:アンナ・ネトレプコ

マウリツィオ:ピョートル・ベチャワ

ブイヨン公妃:アニータ・ラチベリシュビリ

ミショネ:アンブロージョ・マエストリ

ブイヨン公爵:マウリッィオ・ムラーロ  ほか

メトロポリタン歌劇場合唱団、管弦楽団

指揮:ジャナンドレア・ノセダ

演出:デビッド・マクビカー 

  

イタリア・オペラはベルカントとヴェルディ以外あまり観ないが、これはネトレプコとラチベリシュビリが出演とあって興味が湧いた。

 

予想した通り演奏の凄さに何も言うことはない。二人のロシアンパワーには唯々恐れ入った。ネトレプコは今や完全なドラマティック・ソプラノである。ラチベリシュビリはまだ若いのに声の威圧感に圧倒されてしまう。ピョートル・ベチャワは力強く艶のある美しい歌声がひときわ目立った。アンブロージョ・マエストリも温厚な特別の存在感を示した。ノセダの歌唱を生かす指揮も素晴らしい。

 

オペラはすべて男と女がテーマだが、「アドリアーナ・ルクヴルール」はマウリツィオをめぐって女優アドリアーナとブイヨン公妃が争う話である。身分上の違いはあるが、そんなこと関係なく激しくやりあい、最後は公妃がアドリアーナを毒殺してしまう。普通はどちらかが身を引くとか(ばらの騎士)、後悔するとか(アイーダ)あるが、それが全くなく両方とも強烈な性格である。

 

ただ観終わってから思ったが、このオペラを女と女の激情的対決でなく、アドリアーナの方を優しくして(アイーダのように)二人の女性を対照的にしたらどうだろうか。このスタイルでは凄かったなぁの印象しかなく、共感するところがなかったように思うが。

 

また明日からドイツものに戻るつもり。