2017.2.25 (ライブ収録)
出演
ルサルカ:クリスティーネ・オポライス
外国の公女:カタリーナ・ダライマン
王子:ブランドン・ジョヴァノヴィッチ
水の精:エリック・オーエンズ
イェジババ:ジェイミー・バートン  ほか
メトロポリタン歌劇場合唱団、管弦楽団
指揮:マーク・エルダー
演出:メアリー・ジマーマン

「ルサルカ」は2月ウィーンのベクトルフ演出を観てMETジマーマンの演出も観てみたいと思った。やはりジマーマンの舞台はきれいで高級感がある。音楽もスター歌手がそろって素晴らしかった。

舞台は幕ごとに水の青、宮殿の深紅、変容の灰と色調が変わる。1幕では可愛らしい妖精の舞や魔法使いのお伴のカラス、猫、ネズミも登場しておとぎの世界を作り出している。2幕は正に王子さまお姫さまが絵本から飛び出したようである。3幕になって人間世界に近くなったように変化している。人魚は出ずお姫さまだが、おとぎ話の雰囲気を残しながら人間愛を描くには良い方法と思った。読み替えのない伝統的な演出ながら、言いたいこと、つまり異なる世界で生きる難しさと愛の真実ははっきりと表現していた。オーソドックスで舞台は極めてきれいだから、ジマーマンの演出はMETで重宝されるものと思う。

タイトルロールのオポライスは歌唱そのものは素晴らしいのだが、如何せん声質がくぐもった渋い声なのでもっと人間臭い演出ならよくマッチしていたと思う。こういうおとぎ話的雰囲気では清澄で軽い声の方が向いていると思う。インタビューで歌わない2幕が一番好きと言ったのには笑ってしまった。王子のジョヴァノヴィッチは清く甘い声で役柄によくはまっていたし、水の精のオーエンズの情緒的歌唱も素晴らしかった。イェジババ役のジェイミー・バートンはカラーコンタクトを着けて魔法使いを面白く演じた。

ひとつ不思議に思ったことはお姫さまの着替えに目隠しした男性が行っていたが、そういうことは本当にあったのだろうか。

音楽を聴くのが欧米歌劇場のネット配信だけになって半年が過ぎようとしている。オペラを重点に観るようになって20年になるが、この半年に観た数はそれまでの生公演で聴いた3分の1を超える。凄い体験をして勉強になったが、ネット配信そのものが減ってきているし、公演見込みもないようだから、これからどうしようと思案しなければならない。