2020.10.16 フィンランド国立歌劇場(OPERAVISION)
出演
デスピーナ:カリタ・マッティラ
劇場支配人:サンナ=カイサ・パロ Sanna-kaisa Palo  ほか
フィンランド国立歌劇場合唱団、管弦楽団
指揮:エサ=ペッカ・サロネン
演出:Mark Vaisanen
台本:Minna Lindgren

モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」ならぬ「コヴィッド・ファン・トゥッテ」。コヴィッドがコロナ・ヴィイルスのことは言わずもがなだが、どんな話になっているかと興味が湧いた。

音楽はコジそのままだがセリフが全面的に書き直され、昨今のコロナによって生じた様々な社会現象を繋げてストーリーを作っている。ロックダウン、隔離、ワクチン開発、経済不況などを題材にオムニバス風のパロディーとして仕上げている。

登場人物は同じだが、女声は歌劇場のオペラ歌手、男声は感染症の医師から始まって様々な役に置き換えられ変わっていく。他にセリフだけの劇場支配人がオペラの進行役として、また演技だけでコロナ・ヴィイルスも登場して笑わせる。

オペラは「ワルキューレ」のリハーサル中に突然支配人が現れ公演中止を告げるところから始まる。その後はモーツァルトの音楽にのせてコロナに振り回される人々の様子を描いてゆく。結末は様々な対策を打っているが要するにコロナは分からないので出来るだけの用意をしてオペラを再開しようという話である。オペラにしてしまおうと思うのが何とも面白い。

歌手ではカリタ・マッティラ、役者ではサンナ=カイサ・パロが舞台を賑やかにしていた。マッティラが演じたデスピーナは原作のコケティッシュなキャラがこの置き換えでも生かされていた。ただ歌手もセリフが多くフィンランド語だったので英語の字幕を追っていては会場の笑いについていけないところもあった。

舞台もピットもソーシャル・ディスタンスをとっての公演。フィンランドは高負担高福祉の国だが国民は幸せと満足してる人が多いという。そういう国だから深刻な状況までオペラにする余裕があるのであろう。日本は糞真面目な国だからこういうものは作れないと思う。

動画はこちらから
https://www.youtube.com/watch?v=LwNz8C33JOc