2019.6.30(日)15:00 愛知県芸術劇場コンサートホール

曲目

森口真司(指揮)

シベリウス:交響曲第3番 ハ長調 作品52

ブルックナー:交響曲第6番 イ長調

 

名前にブルックナーをつけた楽団はご本家のリンツ・ブルックナー管弦楽団くらいであろうが、こちらはアマオケでブルックナーの熱烈な信奉者の集まり。25回目ということは交響曲で3廻りに近い。この6番もプログラムによると3回目という。

 

ブルックナーとシベリウスの交響曲のうちあまり演奏されない6番と3番の珍しい組み合わせ。前半のシベリウスは失敗しないよう何かきれいに弾こうとしている演奏であった。変化不足で一本調子の感があり、迫力も今一だった。ところが後半のブルックナーになると息を吹き返したように元気で自信に満ちた素晴らしい演奏だった。曲に対する気持ちがシベリウスとは違っていると思った。音に厚みがあり構成の明確な力強く壮大な演奏で、2楽章のアダージョも美しかった。森口真司はリズムとアクセントを重視した指揮だからこの6番は相性が良いと思う。

 

アマチュア・コンサートは関係者が義理で来るみたいな雰囲気のこともあるが、マニアの多いブルックナーとなるとさすが違う。ゴソゴソ音をたてたり、居眠りする人も少なかった。

 

ブルックナーは教会育ちだから交響曲もオルガンのような響きでないと良さが出ない。去年は響きの良くない市民ホールだったから折角の8番も満足できなかったが、今年はコンサートホールに戻れて良かったと思う。